環境問題や医療問題を解決する鍵となるヘンプ

大麻は英語でヘンプと呼ばれHEMPと綴ります。
その学術名はCannabisで、麻科の一年草です。
品種で見ると薬用型と繊維型に大別され、俗に言うマリファナの原料になるのは、
薬用型です。
繊維型には薬物的効果はばく、産業用ヘンプと呼ばれることもあります。
大麻は紀元前1万年ほど前から、文明のゆりかごであるナイル河流域や、
メソポタミア文明を生んだチグリス・ユーフラテス川流域で自生し、
古くから衣類や縄の原料として生活に用いられてきました。
麻薬の原料として栽培が禁止され、収穫高こそ減少しましたが、
この植物は実際に農薬や肥料を必要としないため、
環境に優しい植物であり、熱帯から冷帯、乾燥した気候条件下でも、
生育が容易なため近年特に見直されています。
栽培面積は左程必要とせず、半年もたたないうちに3メートルから4メートルもの、
高さに成長する驚異的な植物なのです。
カナダやヨーロッパ連合では、この大麻(ヘンプ)が森林資源や石油資源に替わる原材料となりうるという観点から、栽培規制が大きく緩和されました。
実際に自動車産業では、車の内装に用いられたり、
建築業界では、住宅用断熱材として、また木材ではなく大麻を原料としたパルプ、
家具製造の材料として利用が盛んになってきています。
また紙も大麻を原料に製造されています。
普通の紙より100倍の強度のある紙が出来、しかもコストは非常に低いため、
今後有望視されています。
一方、薬用の大麻には数多くの種類があります。
薬用、または医療大麻と呼ばれ、含有するカンナビノイドの配合比率で、
薬効が異なります。
米国の20近い州、及び欧州の先進国、カナダなどでは、
医師の処方箋に基づいて、大麻は医療現場で使われています。
例えば腰痛の緩和や、抗がん剤投与に伴う苦痛や不快感の緩和、
慢性化した痛みや、エイズの末期ステージでの苦痛の緩和などに使われます。
医療現場では主に、乾燥させた大麻の葉を吸引具に詰めて、
喫煙という形で患者の苦痛緩和に役立てています。
苦痛の緩和のほかにも消炎作用があったり、嘔吐や痙攣を抑える作用も認められています。
他方では不安神経症を和らげたり、統合失調症にも薬効があることが分かってきました。
また大麻の摂取が、緑内障を引き起こす眼圧の低下をもたらすという、
因果関係も発見されています。
人類の死亡原因のトップが癌であることは知られています。
この癌細胞の成長を抑える働きもあるということで、大麻の医療への貢献が、
ますます期待されるようになっています。
実は大麻は化粧品や石鹸に配合され、私達の身近に存在しているのです。
大麻から取れるエッセンシャルオイルはヘンプオイルと呼ばれ、
美肌効果を生むリノール酸などを豊富に含んでいます。
ここに着目し、石鹸に配合されたり、ボディローションの原料にもなっています。
また唇を守るリップバームが作られたりもしています。
マリファナや麻薬的な暗いイメージが先行している大麻ですが、
その真の姿は、環境問題や医療現場で大きく貢献してくれる、
素晴らしい植物といえるでしょう。

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